サステナブルジュエリーブランド『ENEY(エネイ)』が生み出すのは、天然のダイヤモンドではなく、人の手で作り上げる「ラボグロウンダイヤモンド」を取り入れたジュエリーたち。
新しい選択肢として、これから先、近い未来には市民権を得ているであろうこのダイヤモンド。
どこから来て、どこへ向かうのか?
エネイを立ち上げたブランディングディレクター田上 陽子さんと、松屋銀座 スタートアップ事業課長 島田 成一郎さんにお話を伺ってみました。(※前編です。)
※ラボグロウンダイヤモンドとは、天然のダイヤモンドと同じ成分で、同じ組成のものを、高度な技術を駆使し、つくられたダイヤモンドのこと。限りある天然ダイヤモンドではなく、人の手で生み出すダイヤモンドのため、環境に負荷を与えることがなくエシカルでクリーンなストーンのこと。
Q.ブランドを立ち上げたきっかけは?
島田さん:「これまで百貨店バイヤーの仕事って各国や日本全国を回って、良いものを探してきてお客様に提案して楽しんでもらうっていう仕事だったけど、最近はお客様自身がインスタで物を探せる世の中になってしまったよね。それに安いから買うとかじゃなくて、ストーリーとか背景にあるものを含めて”それがいいと思ったら買う”っていう、価値観になっていってる。
だから僕らも時代の変化に寄り添う形で、今の時代に合ったものを提供していきたいし、もっと自分たちで発信していけるものを作っていかなきゃと思っていて。その中で”品質が良い、長く使えて価値のあるものを世の中に提供したい”ということを、長年考えてきたんですよね。
そこでNYの知人から見せてもらったのが、”ラボグロウンダイヤ”。
すでに欧米ではサステナブル・エシカルジュエリーっていう言われ方をしていて。市場も拡大しているし、時代の流れもサステナブルやエシカルになってきてると思ってたから、話を聞いた時、とても興味深く、新たな可能性だ!と感じました。
それにジュエリーって、やっぱ子どもの世代、孫の世代って受け継いでいけるものだと思う。数ヶ月で価値が半分になりますとか、さらに10%オフになりますってものじゃない。
大事に使ってもらえるよとか、エシカルだったり、サステナブルという。”ラボグロウンダイヤ”は、もういろんな要素が時代にマッチしてるよねと思って、ブランドを作りました。」
田上さん:「島田さんと同じく私も物を売るってことを、コスメでずっとやってるんですけど。やっぱり、物をたくさん作って、たくさん売って、消費者さんによろこんでもらえることは素晴らしいことなんだけど、自分の中で色々葛藤があったのは事実。
メイクだってコレクションがあって。どんどん季節ごとに新作を作って売っていく……。そういう時代でもないのかなって、薄々思っていて。
そんな中で今回のお話をいただいて、”その時代の価値観を共感できる人に広めれるような物”という部分に、魅力を感じたんですよね。
Q.そもそも、ラボグロウンダイヤはどうやってできるんですか?
田上さん:「作り方として炭素からできてるから、ダイヤの結晶ができる環境を人間が作って与えることにより、自然に結晶していき、ダイヤが自立してダイヤになっていくんですよ。クオリティーもまばらで、絶対に全部均一なものでもない。天然だと、地底で何億年もの膨大な時間をかけて作られるけど、その環境を人間が作ってあげるっていうテクノロジー。だからそういった意味では、決してネガティブな人工のイメージではなくなるかなと。」
Q.ラボグロウンダイヤモンドの第一印象は?
編集部:「田上さんは、このブランドに携わる前、ラボグロウンダイヤのことをご存知でしたか?」
田上さん:「元々、私、ラボグロウンって正直あんまり知らなかった。話を聞くまで。それに、最初の印象は、ちょっとネガティブだった。人工ダイヤとかワードでは知ってたし、あるのは知ってたんだけど。」
編集部:「なんか名前がネガティブですよね。”人工”っていうのが。」
田上さん:「正直、私もそっち派だったんです。話を聞いた時に。「へー」ぐらいに思ってて。話を聞くとやっぱり理に叶ってるというか、そのクオリティも素晴らしい。
そもそも私もオーガニックとか天然のものが好きだったし、その天然のパワーみたいなものに惚れ込んで買う派だったから、結構、真逆じゃない?人工ってものが。」
編集部:「たしかに笑」
田上さん:「今までは自然界からパワーを借りてたけど、これから先は人間がそういう価値観とか自然に対して、お礼をするじゃないけど「私たちのエネルギーを循環させていく時代だね」みたいになって、めちゃめちゃなんか良い話が聞けてよかったし、その時に魅力のあるものだなって思って。
まさに人間がラボで作ったものだけど、逆に言うと「そこに私たちの想いを乗せて発信できるな」っていう感覚に変わったんですよ。今までは天然のダイヤのパワーをもらうっていうのがあったけど、逆に”私たちが想いを込めて”自然界へエナジーを恩返しする、エナジーが回るようなイメージで。
ブランド名のany +energy=『ENEY(エネイ)』っていうのにも繋がるんです。
このジュエリーを買ったその時から、まっさらな状態のダイヤに、自分でエナジーを込めて育てていける。
なんかその感覚がすごく新しいし、愛着湧くし、新しい価値観だなって。
私、今年で40歳になったけど、宝飾にそんなに興味がなかったというか、もう少しライトなアクセサリー感覚というか?ファッションで、物をつけたかったし、宝飾ってなると気持ちとしてちょっと重いし、高いというのもあって、なんか身近じゃない感覚だったんです。
だけど、ラボグロウンダイヤなら天然のダイヤモンドに比べて、価格も手頃で気持ちの面でも軽いじゃない?
新しく作られた物だからクリーンだし。
それって私みたいな感覚の人も取り入れやすいし、デザインの幅も広くてダイヤそのものの可能性も広がるし、すごく面白い新たな価値観なんだなーっていうのを最初に感じたというのが、ラボグロウンダイヤとの出会いですね。」
12月18日(土)朝、配信の後編へ続く……
【12月17日(金)20:30〜】
エネイ公式インスタグラムより、インスタライブ配信あり。
クリスマスギフトの用意がこれからという方は、ぜひチェックを。
https://www.instagram.com/eney_jewelry/
【エネイ公式HP】
https://eney.jp
【プロフィール】
株式会社 松屋
事業推進部 スタートアップ事業課長
島田 成一郎さん
2002年㈱松屋入社。銀座店1階のシーズン雑貨のバイヤーをはじめ、今までに様々なレディスファッションアイテムのMDを担当。
直近2021年2月までは銀座店1階のMD責任者を担当。
ブランディングディレクター
田上 陽子さん
オーガニック&ナチュラルビューティーブランド「F organics」「ObyF」「Celvoke」を立ち上げ、ディレクターとして活躍。現在はフリーランスとしてディレクション、企画などの仕事を手掛ける。
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