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【連載】“老け見え”の原因「シミ」にアプローチ!医師が解説する最新レーザー治療とケア法|プライドクリニック 久野院長

「最近、なんとなく顔色がくすんできた気がする」「シミが濃くなってきたかも…」と感じたことはありませんか?
ひとくちに“シミ”といっても、実は種類によって原因も治療法も異なります。

まずは代表的な4種類のシミをチェックしましょう。

Photo by:PRIDE CLINIC
Photo by:PRIDE CLINIC

《シミの種類と原因》

1.日光性色素斑(老人性色素斑)

紫外線の蓄積によって生じる代表的なシミ。輪郭がはっきりしており、顔の側面に多く見られます。

2.肝斑(かんぱん)

ホルモンバランスの変化や摩擦刺激が原因。頬骨のあたりに左右対称に現れることが多く、濃淡が変化しやすいのが特徴。

3.そばかす(雀卵斑/じゃくらんはん)

遺伝的な要素が強く、小さな薄茶色のシミが鼻や頬に点在します。紫外線で濃くなることがあります。

4.ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)

思春期以降に現れる、やや青みがかった茶色いシミ。皮膚の深い層(真皮)にメラニンが沈着しているため、治療に工夫が必要です。

・「後天性のシミ」とは?

これら4つのシミはすべて後天的なもので、生まれつきではなく成長過程で現れるもの。
紫外線ダメージや加齢、ホルモン変動など、日々の生活習慣が大きく関わっています。

そばかすの女性
Photo by Chermiti Mohamed on Unsplash

・美肌とシミの関係

「肌の透明感=若々しさ」といわれるように、シミは肌の色ムラやくすみの原因になります。
もちろん、チャームポイントになる“そばかす”や“ほくろ”もありますが、美肌を目指す上では色素沈着をコントロールすることが重要です。

《最新レーザー・光治療を徹底解説!》

・シミ治療に使われるレーザーの種類

シミの種類や深さに応じて、以下のように使い分けられます。

波長特徴・用途
532nm(ナノ秒・ピコ秒)表皮の浅いシミ(日光性色素斑、そばかす)に対応。赤みやかさぶたが出ることも。
1064nm(トーニング)肝斑などの真皮層に届く。繰り返し照射が前提で、肌への刺激は少なめ。
694nm(ルビーレーザー)真皮深層の色素(ADMなど)に効果。特に深いシミには高い効果が期待される。

・その他の治療法:IPL(光治療)

IPLは幅広い波長の光を使い、シミ・くすみ・赤ら顔など複数の肌悩みに対応できるのが特長。
たとえば以下のようなものがあります。
・515nm・560nm:日光性色素斑やそばかす向け
・640nm:肝斑ケアに有効

《治療の効果とリスク》

【効果】

・日光性色素斑やそばかすは、1回でも目に見える効果が出ることも多い
・即効性があり、満足度も高い治療法です

【リスク】

・赤み・一時的な火傷のような反応
・炎症後色素沈着(※数ヶ月で薄くなることが多い)
・かさぶた・乾燥などの一時的な肌変化

※治療後は医師の指示に従ってステロイド外用やテープ保護を行いましょう。

・治療後は紫外線対策がマスト!

レーザー治療後は肌が敏感になっているため、約3〜6ヶ月は徹底した紫外線対策が必要です。
・SPF値の高い日焼け止めをこまめに塗り直す
・帽子・日傘で直射日光を避ける
・室内でもUV対策を忘れずに

日焼け止めを塗る女性の腕
Photo by pho-to-co from https://www.photo-ac.com/

《自己判断はNG!医師の診断で最適な治療を》

シミは一見似ていても、それぞれに発生メカニズムも治療アプローチも異なります。
自己流のスキンケアで効果が出ない場合は、まず専門医による診断を受けてみましょう。
医師と相談しながら、自分の肌に合ったケアを見つけることが、美肌への近道です。


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PROFILE
PRIDE CLINIC 院長 久野 賀子
PRIDE CLINIC 院長 久野賀子
『自分らしさをもっと引き出せる美容クリニック』づくりを目指してPRIDE CLINICを開院。長年にわたり大手美容クリニックで通常の美容皮膚科診療だけでなく、新入職医師の指導や、VIP対応などを行ってきた経験を通じ、皆様に気軽に先進的な治療を受けていただける、自由で明るいクリニックを運営中。
著者のウェブサイト:https://pride-clinic.com/