「最近フェイスラインがぼやけてきた気がする」「鏡を見るたびに口元が下がってきた」——そんな変化を感じたことはありませんか?
40代以降の女性に多く見られる“顔のたるみ”は、単なる皮膚の下垂ではなく、皮膚の弾力の低下、筋肉や骨格の変化など、複数の要因が絡み合って起こるものです。
今回は、たるみの発生メカニズムと、それぞれの原因に対応した治療法について、プライドクリニック久野賀子院長がわかりやすく解説します。

《顔のたるみの2大メカニズムとは?》
1. 皮膚の弾力低下によるたるみ
年齢とともに、肌のハリを保つコラーゲンやエラスチンは減少。これにより皮膚は弾力を失い、重力に抗えず伸びてしまいます。
【主な治療法】
・注射治療(リジュラン、ジュべルックなど)
・機械治療(フォトフェイシャル、HIFU)
・針治療(ショッピングスレッド)
これらはコラーゲンを増やし、ハリを取り戻す効果が期待できます。
2. 骨・筋肉・脂肪の萎縮によるたるみ
加齢により、こめかみや目の周囲、鼻周り、下あごなどの骨・筋肉・脂肪が痩せることで、皮膚が余って垂れ下がってしまいます。
【主な治療法】
・ヒアルロン酸注入
・自家脂肪注入
・FGF(線維芽細胞増殖因子)などの再生治療
適切な部位にボリュームを補うことで、自然なリフトアップが可能です。

《たるみやすい人の特徴とは?》
・生活習慣による影響
・皮膚が薄い方:加齢とともに皮膚が伸びやすい。
→ 若いうちからショッピングスレッドで予防を。
・紫外線や摩擦の多い生活:コラーゲンが破壊され、たるみが加速。
→ 日焼け止め+やさしいスキンケアが鍵。
・体重の増減が激しい方:皮膚が引き伸ばされ、たるみやすくなる。
→ 適正体重の維持を心がけましょう。
・遺伝的な要素
遺伝的に皮膚が柔らかく伸びやすい人も、たるみリスクが高めです。
【おすすめ施術】
・ショッピングスレッド
・フォトフェイシャル(特に695nm)
・ニードルRF
・ポリヌクレオチド・ポリ乳酸注射
コラーゲン生成は継続的な施術が鍵。ライフスタイルに合わせて無理なく続けることが大切です。

《代表的なたるみ治療法を解説》
・ヒアルロン酸注入の効果
【効果的な部位例】
・こめかみ:凹み改善 → 上まぶたのたるみにも効果
・目の周囲:骨の萎縮を補正 → クマ・くぼみ改善
・鼻周囲:法令線の軽減、鼻の肥大感を緩和
・下顎:マリオネットラインの引き締め
※注入層や量を誤ると不自然になるため、解剖学的知識を持つ医師に依頼を。
・高周波(RF)&HIFU治療
・RF(例:サーマクール、ボルニューマ)
皮膚の浅層〜深層を加熱し、コラーゲン再生を促進。全体のハリ感UP。
・HIFU(例:ウルセラ、ウルトラフォーマー)
超音波で皮膚の深層(SMAS筋膜など)をピンポイントで引き締め。
フェイスラインのリフトアップに有効。
ダウンタイムがほとんどなく、人気の高い治療法です。
《たるみは仕組みを知って、正しく対処を》
顔のたるみは『皮膚の弾力低下』と「内部構造の委縮」という2つの原因が絡み合って起きています。だからこそ、原因に合わせた治療法の選択が重要です。
生活習慣の見直しや早めのケア、そして信頼できる医師との相談を通して、自分に合った方法でたるみを予防・改善していきましょう。
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