1907年創業のニッピ、現在はコラーゲン研究のパイオニアとして食品・医療品・健康食品など幅広い分野で研究を進め、ものづくりの歴史をつくっています。動物の体をいただいている以上、無駄なく使わなければという観点で、100年前からSDGsの取り組みを行なっているニッピ。
merrilyメンバーのみ閲覧可能な部分では、コラーゲンの意外な摂り方を指南!毎日、無理なくコラーゲンを摂りたい方必見です。
【お話を伺った人】
ニッピコラーゲン
バイオマトリックス研究所
服部博士
Q.コラーゲンの基礎情報を教えてください!
服部さん:「まず、ニッピという会社名ですが、昔の名前は日本皮革という会社名でした。皮革(レザー)をつくるところです。リーガルという靴の会社がありますよね。リーガルは、昔は日本製靴(にほんせいか)という会社名で、日本皮革で皮革をつくって日本製靴で靴をつくるという流れでした。15年ほど前までは、ニッピ本社の隣にリーガルがありました。
今から110年以上前、日本が国力をあげなくてはならず、軍隊や郵便などのさまざまな場面で、丈夫な靴やカバンが必要となり、渋沢 栄一 氏や大倉 喜八郎 氏などが中心となって、日本皮革をつくりました。ところで革は、動物の真皮からつくります。真皮は、ほぼコラーゲンでできていますから革もほぼ100%、コラーゲンの塊なんです」
筆者:「え!それは驚きです」
服部さん:「はい。皮をグツグツ煮るとコラーゲンが溶け出します。魚を煮た時にも、煮こごりが出ます。これもコラーゲンが溶け出しているということです。コラーゲンが熱で溶けたものがゼラチンなので食べられるんです。このゼラチンは、糊の作用が強くて、画材に混ぜると耐久性のある絵を描くことができます。他にも写真のフィルムに感光材料をくっつけるのに、ゼラチンを使用しています。皮からゼラチンを作るニッピの工場は静岡・富士にあるんです」
筆者:「皮革製品だけでなく、いろいろな使い方ができるんですね」
服部さん:「それでまた50年ほど前には、皮から煮出すことなく、コラーゲンを取り出す技術をニッピの研究者が見つけました。煮出したゼラチンと、煮ることなく取り出したコラーゲンは、同じ皮から作ったのですが、かなり性質が違うので、コラーゲンはゼラチンとは違う製品に使えるようになりました。1度溶かしたコラーゲンを、革のようなものに再成型できるのです。突然ですが、何のことだと思いますか?チューブタイプです」
筆者:「何でしょう。医療用のものですか?」
服部さん:「実はソーセージの皮です!基本的に天然腸なのですが、売っているソーセージの半分くらいは再成型してつくっています。腸と同じコラーゲンからできていて、丈夫なものです。これの細いものをつくったり、糸状のものをつくって医療用にも活用されています。このように皮から皮革だけでなく、さまざまな製品をつくることができるようになりました。そして40年ほど前に、みんなが日本皮革を略してニッピと呼んでいた名前、”ニッピ”をそのまま会社名にしたのです」
Q.なぜコラーゲンが人間に必要なのでしょうか?
服部さん:「コラーゲンは、たんぱく質100%でできているのですが、アミノ酸と繋がったものでできています。アミノ酸は20種類ほどあり、コラーゲンは、そのアミノ酸とのつながり方が非常に特殊で、らせん状になっています。動物の体の丈夫なところは、だいたいコラーゲンでできていまして、皮膚や腸、胃、食道や血管、目の角膜、そして骨や歯もそうなんです。骨はカルシウムだけではなく、コラーゲンによって骨の粘り強さが出て、硬い素材と柔らかくて丈夫な素材を組み合わせて体はできています。コラーゲンでないのは、血液と爪と髪の毛ぐらいです」
筆者:「骨粗鬆症で骨がスカスカだとよく言いますが、カルシウムが不足しているだけではないのですね」
服部さん:「カルシウムもですが、コラーゲンがないと粘り強さがなくポキッと折れちゃうんです。両方バランスよく摂れていないとダメで、それは骨質と言いますが、カルシウムだけでは骨質が悪いということになります。そして、血液に比べてコラーゲンは、体内で入れ替わりにくい方なのですが、古いコラーゲンは体の中で壊して、コラーゲンを新鮮にしていきます。老化や糖尿病により、コラーゲンの柔軟性がなくなってしまうことがあるので、古くなったら新しく入れ替えるということを、体内でおこなっています」
筆者:「新しくするには、コラーゲンを摂取すれば良いのでしょうか?」
服部さん:「基本的にコラーゲンは食べたら、そのままコラーゲンとして届くわけではないことは散々言われていて、コラーゲンは消化されてアミノ酸になり、アミノ酸になったものが体に取り込まれてコラーゲンができるんです。会社で食事調査をした人もいますが、昔の食事は魚の骨と皮も全部食べて、全体の栄養が若干少なくても、コラーゲンは摂れていたのです。ところが、今の人の食事調査では、肉や脂などが多く、意識して食事から摂れれば良いのですが、実際には難しい。そして体の中でコラーゲンは、特有の配列で吸収されて巡っていることが分かり、体内で回ってくると、そこの細胞は、コラーゲンをつくらなきゃと頑張ってつくるようになるんです。
なので、食べたものが栄養となりコラーゲンをつくる、そしてコラーゲン自体が、体内でコラーゲンをつくるということが分かってきました。コラーゲンの働きで爪や髪の毛がキレイになったと体感される方も多いですが、ケラチンというたんぱく質が作用しているもので、コラーゲンではないものの、栄養を運ぶ血管がよくなれば、体の端っこまで栄養が行き届き、巡りが良くなっていることに繋がるので、良い反応ですね」
Q.コラーゲンを効率的に摂取する方法を教えてください!
服部さん:「栄養素がそろっていても、