Interview

【インタビュー】一般社団法人『ソーシャル・シフト』の3人に聞く!社会を上手に巻き込み、助け合い、全員で成長していく術とは?

【お話をお伺いした方々】

一般社団法人ソーシャル・シフト

(左)田中 文裕さん
(中央)スティーブン ミルンさん
(右)畑中 元貴さん

田中さん、スティーブンさんは公私ともにパートナー、畑中さんは長年うつ病に悩んでいたという3人。この3人が出会い、起業して、無給ではなくしっかり生活していけるソーシャルビジネスを3年計画で展開していこう!となったきっかけや、今の気持ちを伺いました。
ネガティブを瞬時にポジティブに変換できる思考を身につける素敵なエピソードは、お互いを思いやる気持ちからきています。

Q.さっそく、一般社団法人ソーシャル・シフトを立ち上げることになった経緯を教えていただけますか?

スティーブン ミルンさん:「僕はイギリス生まれで、25年前日本に来て鹿児島でインテリアのバイヤーなどの仕事をしていたのですが、どこかの情報で「ペイフォワード」という無償奉仕で困っている人を助ける仕組みを知り、東京でこれをやってみたいなと思ったのがきっかけです。幼少期を振り返ってみると、僕の母親って人助けという行動を生活の中で自然に行っていたなと思って。」

田中 文裕さん:「そうなんです!スティーブンに関しては、もう血筋だと思うんです。2019年、彼の実家スコットランドに行ったんですけど、街をみんなで歩いていて突然お母さんがいなくなったんです。どこに行った?と思って探したら、ホームレスの人のところに駆け寄り寒い日だったので温かいコーヒーを差し出していたんです。「これで温まってね」と。日常的にその光景を見ていた彼にとっては、困っている人を助けるのは、当たり前のことなのかなと思いますね。
そこで、「みんなでやろう!」となったわけです。
僕は5年ほど、障がい者福祉施設で就労していたのですが、助けたい人を助けられないもどかしさのようなものを感じていたので、そこを、今回の活動をきっかけに脱することができたんです。」

スティーブン ミルンさん:「この3人が出会い、夢を持ってノウハウがわかっていて、実際に美味しいコーヒーができる(提供できる)ってもう奇跡ですよね!起業に迷いはありませんでした。」

Q.畑中さんはコーヒーの焙煎経験はあったんですか?

畑中 元貴さん:「昔からコーヒーが好きで、焙煎には興味があったのですがなかなか行動できずで。でも運よく、焙煎をする環境に関わることができたので、自分でもやってみたいなと思って少しずつ勉強してステップアップさせている最中です。今はシェアローストを借りて焙煎しているのですが、ゆくゆくは焙煎機を持って、自由に自分の好きな味を作ってみたいと思っています。今は種類問わずコーヒーを試していきたいですね。」

田中 文裕さん:「彼は長年うつ病に悩まされていて、生活のリズムも整わず苦しい時期もあったと思いますが、そこから徐々に抜け出して、今は堂々と「コーヒーの焙煎がおもしろいと思った」といえる、興味のあることに出会えたというのが良かったですね。」

自身で焙煎したコーヒーを、店頭で説明しながら販売する畑中さん。

Q.立ち上がったばかりの会社ですが、今後どのように発展させていきたいですか?

スティーブン ミルンさん:「僕たちは「3年計画」で進行しようと思っています!
他の企業なら、ある程度の資金を持って会社を興すと思うのですが、起業のタイミングが良かったので、その流れに乗って資金を作りながら成長させるというシステムを考えていて。
“1年目はPRに徹する”です。ブランドロゴの「ojizo coffee」のデザインを使って商品やコーヒーを作りECサイトやポップアップストアで売っていく。」

田中 文裕さん:「2年目3年目は、東京に実店舗を作ることです。商品を作って販売する場所を設けて、障害を持つ人を雇用して軽作業などをお願いしたり、“接客をやりたい!”と思った人には、状態を拝見させていただきながら、できそうであればお店で接客してもらうなど、障害を持つ人や支援が必要な人が“ちゃんと働いて給料を得る”という場を作りたいんです。」

スティーブン ミルンさん:「日本ではまだまだ、同性のパートナーや文化が違う外国人、ホームレス、メンタル病はちょっと内に秘める風潮がありますが、まったく恥ずかしくない!と思うんです。そのために支援が必要な方に、ojizo coffeeが役に立てればいいなと前向きに考えています。」

オンラインでも購入できる、コーヒー豆は4種類。

Q. ojizo coffeeの”オジゾー”は、お地蔵さんのこと?

スティーブン ミルンさん:「はい!鹿児島にいた時、周辺の道にたくさんのお地蔵さんがいて、毎日感謝しながら歩いていたので、ブランド名に入れました。そしてコーヒーのパッケージなどに使っていますが、カラーはパッと映えるラズベリーピンク。これは僕の母が好きな色で、たくさんの人に愛を伝えながら成長できればいいなと思い、採用しました。」

購入したコーヒーパッケージの裏には、寄付確認番号が記されており、どこに寄付されているか一目でわかるシステム。

取材を終えて…
3人それぞれ暮らした環境は違うのに、どうしてこんなに意見が一致して穏やかな空間が出来上がっているのかと不思議な気持ちでした。それは、次の記事のマイルールで明かされます。そちらもお楽しみに!
取材の日は、渋谷のミヤシタパークでポップアップストアを開催していたのでおじゃましました。私と編集長の星さんは、おそろいでojizo coffeeのキーホルダーを購入!スケートボードの廃材を再利用したもので、ひとつひとつ丁寧に磨き上げられ、仕上げられたデザインに一目惚れでした。

大と小の2サイズ。ラズベリーピンクが映えるキーボルダーで、タグはひとつずつ違うイラストが描かれています。

【ojizo coffee】
https://www.ojizo.coffee/


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PROFILE
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
1974年生まれ。2人の大学生の子どもを持つ母。不器用ながら「努力と根性」で女性誌 のライターを10年以上経験、これからは軽やかにライフスタイルのお役立ち情報を発信で きたらと思っています! 「桃子俱楽部」オンラインサロンで、スキンケアやメイクを勉 強中、好きなことにはトコトン突き進むタイプ。
著者のウェブサイト:https://www.instagram.com/__yokom_