Interview

【インタビュー】日本爪ケア普及協会 理事長松本めぐみさんに聞く!心と体にしっかりと向き合う、実は見逃しがちな爪ケアの重要性とは?

あらゆる「爪」を観察、研究し、自ら確立した「爪ケア」のサービスを、介護施設や障害者施設などへ出向いて提供。介護士や看護士向けの講習会も行い「爪ケア」の技術を伝える活動をしている。「爪ケア技能検定」を構築し、全国に展開中。
そんな松本さんに、お話を伺ってみました。

【お話を伺った人】

松本めぐみ さん

特定非営利活動法人 日本爪ケア普及協会 理事長
株式会社BestQuality 代表
松本めぐみさん

日本ネイリスト検定1級
ジェルネイル検定上級
巻爪ペディグラス技術者

【特定非営利活動法人日本爪ケア普及協会HP】
https://naida.jp/

趣味で自分の爪にアートするところから始めたという松本さん。
そのネイルアートを見た友達に「私もやってほしい」と言われたことがきっかけで、ネイリストとして活動することに。その後、現在行っている爪ケアの研究を始めるのですが、その時の気持ちの変化や、なぜ大切なのか、などをご紹介します。

Q.爪ケアを始められたきっかけを教えてください。

松本さん:「ネイリストとして活動する以上、スキルや知識を身につけようと、爪について学び始めたらとても奥が深くて、楽しく勉強していました。そんな中で、障害者施設からお声がかかり「職員さんに、爪のケア方法を教えて欲しい」「実際に障害者の方に、爪ケアをやって欲しい」というお話をいただいたんです。それは、長期的な取り組みになりそうだったので、まず私が知識を身につけなきゃいけないと思い、ネイルアートとは違う勉強を始めました。基本的に、ネイルアートは健康な爪に施すものなので、全く別の知識が必要でした。」

Q.ネイルアートと爪ケアは、違う知識なのですね。

松本さん:「施設における爪の主な悩みは、健康な身体ではないというところで、爪が薄いとか、身体が拘縮して切りにくいなどの理由で、そもそも爪を短く切ったり、整えることが難しいんです。
実は、まだまだ施設で生活する利用者さんの爪のお悩みは課題なんです。
何十年もある施設でも、爪の問題がずっと見て見ぬふりをされてきたみたいなんです。
だから、”爪への課題を抱えている人がいるんだから、いつか誰かがやらなきゃいけないのかな”と、思う程度だったのですが、その事実を知ってしまったら、もう目を背けられないなと思うようになりました。それに、このお話を持ってきてくれたのが、地元の後輩でして、先輩ならやってくれる!と思ったそうです。だから、その後輩の気持ちに応えたいという自分もいました。」

編集長 星:「そうなんですね。気になったのですが、例えば、手が拘縮して親指が中に入っていたり、グーの状態になっている場合、どうやって爪を整えるんですか?」

松本さん:「その状態になっていると、無理やりは開けませんし、開こうと思ってもかえって危なくてできないので、肘のあたりからマッサージをしてほぐし、ふっと手の緊張がほぐれた瞬間、もう片方の手の指を隙間に入れてケアをします。ピンポイントで触るのではなく、広い視点でスキンシップを行います。
動き続けていて嫌がる人には、私が「大丈夫だよ」とやさしく話しかけます。利用者さんを、穏やかな気持ちにさせてから施術するんです。
自分自身が天使のような気持ち、やさしいオーラで「私はあなたにとって害を与える人じゃないから、安心してね。」と心から伝えると、それが伝わってスムーズにできます。今日、爪ケアをさせてくれてありがとうという気持ちを持つと、それが相手にも伝わって不安が薄れていくのだと思っています。人の本能というか。」

ネイリストとして、順調に経験を積んできた松本さん。
それは、次から次へ勉強したいと思う気持ちがあったからだと話します。積極的に施術をして、お客さんから、次に来た時に意見をフィードバックしてもらったり、トラブルがあれば詳しく教えてもらい、自分で考えながら成果をあげたそう。
なぜそこまでするのか?と聞くと、「ネイリストになったのが遅咲きだったので、何も知りません、ということは言えないなと感じた」とのこと。

Q.ネイルアートは、今もやっているんですか?

松本さん:「アートはもう卒業しちゃいました!最初は両輪でやっていたんですけど、私がやるべき方は爪ケアだなと思ったんです。こんなに困っている人達が障害者施設にいて、じゃあ高齢者はどうなんだろう?と目を向けたときに、高齢者の方がもっとひどくて。
解決の道筋が示せてないのかなと考えた時に、高齢化する先の未来はどうなるんだろう?絶対にこれはやり続けなきゃいけないと、自分の中で思ったんです。」

爪ケアの方法を、あれもこれもと勉強したり、追求していたら、人体の勉強まで始めてしまい、ネイルアートの勉強が疎かになっていったという。いずれ爪ケアに専念しようと思いつつ、何年か両方やっていたけれどコロナ禍となり、お客さんが外出を自粛し始めたタイミングで卒業したそう。材料も全部、友人のネイリストさんにプレゼントし、自分では施術ができない状況にしたという徹底ぶり。

Q.今後、どのような活動をしていきたいですか?

松本さん:「お医者さんと、ちゃんと連携を取っていけたらいいなと思います。私が教えた生徒さんたち(爪ケア技能者)に、各地でドクターと繋がりを持って欲しいんです。
爪ケア技能検定というものがあって、延べ280人くらい技術者がいます。上級ランクの方は30人くらいかな。その方々が施設に行って、担当の人の爪に異常があればお医者さんに伝え、繋げることをどんどん広げていけたらいいなと思っています。患者さんを一番に考えると、爪の異常にいち早く気付いて治療を開始できれば、重症化を食い止められますからね。ケアする側にも、お医者さんとの繋がり対して伝え方のアドバイスをして、今後もサポートしていきたいと思っています。」

《取材後記》

自分で訴えることができない、明確に症状を伝えることができない人に対して、こちらで気付き、爪ケアを呼びかける活動をこれからもおこなっていきたいと話す松本さん。健康な爪と向き合っていたネイリストという目線で、爪ケアの大切さを教えていただきました。
毎日目にする爪、変色や痛みがあったら、放置しないことが、重症化を防ぐ一歩だと感じました。


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PROFILE
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
1974年生まれ。2人の大学生の子どもを持つ母。不器用ながら「努力と根性」で女性誌 のライターを10年以上経験、これからは軽やかにライフスタイルのお役立ち情報を発信で きたらと思っています! 「桃子俱楽部」オンラインサロンで、スキンケアやメイクを勉 強中、好きなことにはトコトン突き進むタイプ。
著者のウェブサイト:https://www.instagram.com/__yokom_