Interview

【インタビュー】マイバインミー by グルテンフリートーキョー オーナー音仲紗良さんに聞く!自称「健康オタク」が大切にしている食と健康のバランスとは?

【お話を伺った人】

音仲紗良さん

株式会社ぽかぽかてーぶる代表取締役
マイバインミー by グルテンフリートーキョー
オーナー
音仲紗良さん

雑誌の編集、ライター、そしてフードコーディネーターまで担当するほどマルチな才能を持つ音仲さんが、2022年5月、新たなトレンドとカルチャーを生み出し続けている原宿に、バインミーのお店をオープンさせました。
なぜバインミーなのか、そしてグルテンフリーの意図とは?食通で、たくさん食べ歩きをしてきた音仲さんだからこそ気づけた、豊かな食事の大切さを教えてくれます。

Q.バインミーに注目したきっかけを教えてください!

音仲さん:「バインミーの初代店舗オープンは2020年3月、そう、コロナ禍で緊急事態宣言が出された時でした。当時“タピオカ”の大ブームが終息の兆しを迎えていましたが、SEOの観点からみてもタピオカの流行は心拍数のように一過性の波であるのに対し、ベトナム生まれのサンドイッチである“バインミー”は右肩上がりにじわじわと伸びていました。単なる“トレンド”ではなく、“カルチャー=食文化”として日本に根付いていくような可能性を感じ、取り組むことにしました。
また、バインミーが現代のライフスタイルに合っていると思ったのは、コンビニでおにぎりと同列くらいにサンドイッチが取り上げられている点も参考になりました。忙しくても片手で食事を済ませられるワンハンドフードは、幅広い年代にフィットするんじゃないかなと。」

Qグルテンフリーにされたのはなぜ?

音仲さん:「バインミーのお店を始めると決めてから、都内をはじめベトナム、地方と食べ歩いたんですけど、体の不調を感じたんです。調べていくと、グルテンが体に合わないんだと知りました。また、ベトナム現地のバインミーの作り方を調べていくと、ラードやマーガリンなどトランス脂肪酸を豊富に含む食品がたっぷりと使われていて、自分の中でヘルシーな見た目とのギャップに違和感があったんですよね。“米粉パン”と言いつつじつは小麦とのブレンドで米粉は1割程度だったり。ベトナムは日本と同じコメ文化ですが、フランス領だったこともあり小麦パンの方が主流で、日本にあるバインミー専門店もその流れを汲んだパンだったんです。ベトナムも日本も同じ米文化なら、米粉100%のパンがあってもいいんじゃないか、と思いました。
パンが好きでもグルテンアレルギーでサンドイッチを食べられない人も多いということも知り、ないなら作るしかないと、変な使命感に燃えてしまいました(笑)。美味しいグルテンフリーのパンがないなら、作っちゃおうと。そこで、米粉100%のフランスパンを、信頼における米粉パン屋とともに共同開発するところから始めました。」

Q.パンだけではなく、調味料や挟む具までもグルテンフリーなのですか?

音仲さん:「そうです。醤油にも小麦が含まれていますし、見えない形でグルテンが含まれている調味料が多いので、調味料もこだわって選びました。たとえば、醤油ではなく丸大豆100%の“豆たまり”という昔ながらの発酵調味料を使ったり。また、和食のように、毎日食べても飽きのこないカラダ想いのバインミーを目指しました。たとえば、牛乳の代わりに米糀甘酒を使用してレバーパテを作ったり、ベトナムでは魚醤は“ヌクマム”を使いますが、日本の三大魚醤のひとつ“しょっつる”を使うなど、日本の昔ながらの発酵食品を多用しています。
自分自身、料理化として昔から大事にしているのは“食と健康”をセットにしたフードコーディネートなんです。食べるたびに体が元気になるものを提案したいと思っているので。米粉パンの優しい甘みに合わせて、ベトナムのバインミーを和食に再構築し、新しいバインミーを定義したい、すでに日本にバインミーはあったし、二番煎じではなく私がバインミーを開発意味はそこだろうなと。」

左)五香粉チャーシューバインミー(S¥880)は、チャーシュー、サラダ菜、きゅうり、万能ねぎ、なます、パクチーが入ったボリューム満点のサンド。ベトナムではポピュラーな、花椒やシナモン、八角などの混合スパイスを使ったソースは、味に深みが出ます。
右)エッグレスな卵サンドバインミー(S¥940)の、卵は豆腐でできている!スクランブルエッグを食べているかのような味と食感がやみつきに。パンは、表面がサクッとしていてバゲットのような硬さがなく、中はしっとり♡具材との一体感が楽しめて食べやすい。

Q.自らを健康オタクと呼ばれていますが、いつごろから健康志向に目覚めたのですか?

音仲さん:「え、もう小学生の時から意識があります(笑)。米ぬかを飲むと豊富に含まれるマグネシウムの作用で代謝が上がる、とかメディアで得た情報はすぐに飛びついてました。でもまずくて続かないんですよ。そこで学んだのは、体にいいもの=味に妥協するものが多いのだなと。でもそれだと、食事が楽しくなくて心の健康は損なわれますよね、無理やり食べるのって。理想は、美味しく食べて結果、体がラクだな、豊かだなと思える食事。毎日忙しいからと言って、栄養食品的なものって味気ないし腹持ちもあんまりだし、1日3回しかない食事なのに寂しい。食べるのが面倒、つらいなと思いながら食べるより、片手で食べられる“和弁当”のように栄養バランスのよさと満腹感も得られるバインミーだったら、効率もよいし一石三鳥ですよね。」

Q.ヴィーガンやグルテンフリーに興味がある、という人に向けてメッセージをお願いします!

音仲さん:「パンが好きだったのにアレルギーで急に食べられなくなってしまった、という方にぜひ食べてもらいたいです。わざわざ遠方から来てくださる方も多いですよ。でもグルテンアレルギーに関係なく、パンが好きな方もおいしいと選んでもらえることも励みになりますね。お店の周辺にお住いの方や、原宿に遊びに来た方など、特にグルテンフリーに関係なく、ちょっと休憩したいな、という時に選んでもらえたらそれも嬉しいです。
食の選択肢を増やすことで、さまざまな価値観を“許容”したいと思い、ヴィーガンメニューも以前から提供しております。菜食主義の方も、グルテンアレルギーの方も、小麦が好きな方もジャンクが好きな方も、一緒に食事を楽しめるって、豊かですよね。この店をつうじて日本の食文化や食育も提案していけたらと思っています。」

編集長 星:「今、バインミーは何種類ぐらいあるんですか?」

音仲さん:「今約10種類ぐらいですかね。定期的にメニューを変えてますし、毎月2.3種類新作を出しているのでいつ来ても選ぶのが楽しいラインナップを心掛けています。」

テラス席もあり、ペットとの食事も可能です!
ナッツ料理研究家でもある音仲さん、味や素材にこだわったナッツも販売しています。
おやつやおつまみに最適!ちょっとしたギフトにも♡

My Banh Mi byグルテンフリートーキョー
渋谷区神宮前 1-20-4 AXIA原宿103
火~日曜・祝日 7:30~21:00/定休日:月曜
https://mybanhmi-by-gft.wixsite.com/my-site

《取材・バインミーの試食を終えて…》

圧倒的満足感に驚き!しっかりした味付けと、とてもシンプルな素材のうまみが美味しい。そしてこだわりパンは、表面はサクッとしていて中しっとりなので食べやすいんです。罪悪感なくたっぷり食べて腹持ちも良く、夜までしっかり動けました!
音仲さんの、安心できるものを食べて心豊かに過ごして欲しいという願いがたっぷり詰まったバインミー、ぜひ試してみて欲しいです。


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PROFILE
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
merrily編集部 エディター&ライター / 森岡 陽子
1974年生まれ。2人の大学生の子どもを持つ母。不器用ながら「努力と根性」で女性誌 のライターを10年以上経験、これからは軽やかにライフスタイルのお役立ち情報を発信で きたらと思っています! 「桃子俱楽部」オンラインサロンで、スキンケアやメイクを勉 強中、好きなことにはトコトン突き進むタイプ。
著者のウェブサイト:https://www.instagram.com/__yokom_