Interview

【#2インタビュー『ENEY(エネイ)』】”ラボグロウンダイヤモンド”という新しい価値観と選択。

サステナブルジュエリーブランド『ENEY(エネイ)』が生み出すのは、天然のダイヤモンドではなく、人の手で作り上げる「ラボグロウンダイヤモンド」を取り入れたジュエリーたち。
新しい選択肢として、これから先、近い未来には市民権を得ているであろうこのダイヤモンド。
どこから来て、どこへ向かうのか?
エネイを立ち上げたブランディングディレクター田上 陽子さんと、松屋銀座 スタートアップ事業課長 島田 成一郎さんにお話を伺ってみました。(※後編です。前編はこちらから→https://merrily.jp/fashion/post-1583/)

※ラボグロウンダイヤモンドとは、天然のダイヤモンドと同じ成分で、同じ組成のものを、高度な技術を駆使し、つくられたダイヤモンドのこと。限りある天然ダイヤモンドではなく、人の手で生み出すダイヤモンドのため、環境に負荷を与えることがなくエシカルでクリーンなストーンのこと。

Q.エネイが扱うラボグロウンダイヤについて、教えてください。

島田さん:「ラボグロウンダイヤにも、クオリティにグレードがあるんです。エネイの商品はとてもグレードの高いものを採用しており、0.5ct以上のダイヤモンドには鑑定書を付けてます。
それに僕らは、ラボグロウンダイヤを仕入れているところの労働環境を大事にしていて。
その会社は、すごく良い環境で従業員を働かせていて、従業員1人1人をとても大切にしてるインドの工場なんです。そういう会社と取引してるんですよね。
もちろん、そういうところって取引する側としては、原価が高くなっちゃいますよね。もちろん、もっと安いところもあるんですよ。だけど、労働環境が良い方が、作る側も取引する側も、皆んながハッピーじゃないですか。やっぱりこのジュエリーを末長く身に着けて欲しいからこそ、そういうところまで気を使ってます。

地金の鋳造や仕上げ、石留めは、日本で職人さんにお願いしています。日本の素晴らしい技術も後世に残していきたいし、活性化・循環させたいですから。
きっとこだわらなければ、もっと安く作れるかもしれないけど、それなりの技術とか時間をかけて作るんですね。もちろん、やり直しもある。とにかく1つ1つを大切に、こだわって作っているからこその価値があると思っていて。それがエネイのジュエリーなんです。」

Q.ラボグロウンダイヤはこれからスタンダードになると思いますか?

田上さん:「成分や組成が全く一緒というクオリティ。ダイヤですっていう鑑定書付きのラボグロウンダイヤが欧米だと認められてるんですよね。だから今後、絶対スタンダードになっていくなっていう感覚はありますよね。
だって今、フェイクレザーって普通じゃない?それがもうむしろ、なんか当たり前みたいな。」

島田さん:「リアルファー、ファッション業界から一気に無くなったよね。」

編集部:「たしかに。ステラ・マッカートニーは、昔からずっと動物愛護活動してましたけど。この数年で急激にリアルファーは使わない!というのが、広がりましたよね。」

田上さん:「だから、ラボグロウンダイヤが市民権を得る未来も、遠くないなっていう感覚がありますね。」

島田さん:「天然のダイヤモンドは、それはそれで価値として、希少価値としてありますからね。ラボグロウンダイヤと何が違うかって言ったら、希少価値だと思うんですよ。」

田上さん:「単純にもっとライトな消費者の目線だと、値段が手頃だっていうのと、あと、デザインの幅。
例えば、半分にカットしてあるダイヤみたいに大胆にカットがやりやすい(破損のリスクの面で)。天然のダイヤモンドにはリスクが高くてやりづらい。
あと、私たちも最初、議論したんだけど、ジュエリーってプラチナ素材が一般的で、ダイヤ×シルバーってあんまり市場ではないよねって。
でもエネイでは、逆にそういうこともやっていて。より身に付けてもらう人の幅を広げたいという話をしていて。そういう、消費者目線でいえばおしゃれの幅が広がるし、若い世代にも届けられるっていうのはすごく良いなと。
特に若い子にとっては、ダイヤの輝きって精神的な意味で重いじゃない?身に着けるとしたら、エンゲージぐらいじゃない?デザインもコンサバティブというか。ファッションに合わないというのが先行したんですよね。
でも、エネイなら、デザインも理想的に作ることができる。」

編集部:「本当にデザインがおしゃれですよね!一般的なダイヤにあるようなクラシカルなデザインじゃなくて、なんか革新的でおしゃれなデザインが多いと感じました。」

田上さん:「それでいうと、最近だとパールがそこですよね。昔はクラシカルな艶と巻きがキレイな丸いパール。」

島田さん:「たしかに今は、バロックパールで1つ1つ味があるやつがいいとかね。コーディネートする洋服も、だいぶカジュアルに着けたりしてますよね。前はフォーマルシーンが多かったけど。」

田上さん:「ダイヤもその道を辿るような。」

島田さん:「そうそう。ちょっとカジュアル化していくというような。フォーマルとかブライダルで使うだけじゃなくて、日常使いで使えるものになっていくっていうことですね。そういう時代の流れ。
だからラボグロウンを着けるなら、すごい大きいのが欲しいっていう人、多いんですよ。天然のダイヤモンドだと70万とか、ブランドによっては100万とかするから、大きいの着けられないけど、せっかくのラボグロウンのものなんだから大きいのを楽しみたいみたいな。」

田上さん:「たしかに100万とかする物を毎日、気軽につけれないから、良いですよね。欲求を満たすみたい感じで。」

島田さん:「デザインも今後こだわって作っていきたいし、男女や年齢を問わず身に付けられるものも新しいデザインも作っていきたい。」

Q. 今後の展開は?

田上さん:「エナジーもらえるよねって言ってもらえるような、そんなブランドになりたいって思ってて、とにかくエネイにしかできないオシャレでエッジィの効いた商品を作っていく。」

島田さん:「いろんな発見ってあるじゃないですか。それをなんか表現できたら良いなって、初めからそういうのを作っていきたいという思いはありますね。」

田上さん:「そうそう。他がやってないこと。今までのものを否定するわけじゃないけど、これまでの決まりごと、例えばメイクだったら今シーズンのメイクアイテムを出さなきゃいけないみたいな?そういう決まりごとをあえて崩していくような、新しいスタイルでやっていきたいなって思ってます。」

島田さん:「うん、色んな方向から見た新しい形を。やっぱその世代だからこその、新しいものね。価値観切りで共感してくれる人を増やして、コミュニティが大きくなればなと。」

田上さん:「発信の仕方もいろいろ模索中です。何か新しい発信の仕方をなんか考えたいですよね。」

島田さん:「あとは、やっている自分たちが楽しいと思える事をやっていかないとね!」

Q.皆さんへのメッセージ

田上さん:「シンプルに美しいというのが、直接見て触ったら分かりますよね。輝きやラボグロウンの雰囲気を手に取って感じて欲しいです。」

島田さん:「実際、ご来店くださったお客様からは”綺麗!”というお声をいただいているので、やっぱり実物を見てみてください!本当に美しいんです。ラボグロウンダイヤの良さは、見て、触れれば分かると思います。」

田上さん:「今まで天然のダイヤモンドに興味が無かったという人にこそ、お試しいただきたいですね。」


【エネイ公式HP】
https://eney.jp

【プロフィール】

株式会社 松屋
事業推進部 スタートアップ事業課長
島田 成一郎さん

2002年㈱松屋入社。銀座店1階のシーズン雑貨のバイヤーをはじめ、今までに様々なレディスファッションアイテムのMDを担当。
直近2021年2月までは銀座店1階のMD責任者を担当。

ブランディングディレクター
田上 陽子さん

「F organics」「ObyF」「Celvoke」を立ち上げ、ディレクターとして活躍。現在はフリーランスとしてディレクション、企画などの仕事を手掛ける。

《本当の意味でのサステナブルを再考》

今まさに、環境問題においては、環境に配慮した製造方法や再生、”循環できるかどうか”が問われている。
限りあるものを使い尽くし、地球から消滅させるのか?
それとも、環境に配慮しながら、自ら生み出し、それを循環させていくのか?
消費者である私たちも意味のある選択をすることで「環境問題とともに歩む新しいオシャレ」を楽しめる大人でありたいと思わせてくれる、全く新しいジュエリーブランドが『ENEY(エネイ)』なんだと感じました。


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PROFILE
merrily編集部 編集長 / 星 ゆうこ
merrily編集部 編集長 / 星 ゆうこ
美容研究家、ライター・エディター、コスメ&サプリプランナー。 コンサルなども行い、美容全般を仕事としています。ライター歴約9年。西洋医学・東洋医学・酵素栄養学・分子栄養学・NASA使用の心理学など学んだ分野は多数、これまで学びにかけてきたお金は200万越え。所持資格は15以上に。merrilyでは編集長として、皆さんが思わず「へぇ〜!」と言ってしまうような、耳よりな情報をお届けします!
著者のウェブサイト:https://lit.link/kuponobeauty